macOSにはデフォルトでPythonがインストールされていますが、特定の理由でこれを削除したい場合があります。ただし、システムに標準で含まれるPythonを完全に削除することは、macOSの正常な動作に影響を与える可能性があります。このブログ記事では、MacのデフォルトのPythonを削除または無効化する方法について、初心者にも分かりやすく解説します。
なぜデフォルトのPythonを削除したいのか
macOSには通常、2種類のPythonが最初から含まれています：Python 2.xとPython 3.xです。しかし、これらはmacOSの一部として提供されており、古いバージョンのまま更新されない場合があります。そのため、以下のような理由で削除を検討することがあります。
Pythonバージョンの競合
開発環境を整える際に、Homebrewなどで最新のPythonをインストールすると、システムのPythonと競合することがあります。このため、不要なバージョンを削除して環境を整理したいと考える人もいます。
セキュリティや互換性の懸念
古いバージョンのPythonがシステムに存在していると、セキュリティリスクが生じたり、最新のライブラリとの互換性がなくなったりする可能性があります。これを防ぐため、不要なバージョンを削除するケースがあります。
デフォルトのPythonの確認方法
削除を始める前に、まずどのPythonがインストールされているのか確認しましょう。以下のコマンドをターミナルで実行することで、システムのPythonバージョンやインストール場所を確認できます。
Pythonのバージョンを確認する
python --version
python3 --version
このコマンドを実行することで、Python 2.xや3.xのバージョンが表示されます。
Pythonのインストール先を確認する
which python
which python3
このコマンドにより、Python実行ファイルのパスが表示されます。通常、macOSのデフォルトPythonは以下のパスに存在します
/usr/bin/python/usr/bin/python3デフォルトのPythonを削除する手順
注意点：削除の前に知っておくべきこと
デフォルトのPythonを完全に削除するには、System Integrity Protection (SIP) を無効化する必要があります。しかし、これはmacOSのセキュリティ機能を弱めることになるため、慎重な判断が必要です。また、削除するとシステム機能が動作しなくなる可能性があるため、事前にバックアップを取ることを強く推奨します。
Pythonの削除手順
1. SIPを無効化する
Macを再起動してリカバリーモードに入ります（再起動時にCommand + Rを押し続ける）。
リカバリーモードのメニューからターミナルを開き、以下のコマンドを実行してSIPを無効化します。
csrutil disableMacを再起動して通常モードに戻ります。
2. Pythonを削除する
以下のコマンドをターミナルで実行して、デフォルトのPythonを削除します。
sudo rm -rf /usr/bin/python sudo rm -rf /usr/bin/python33. SIPを有効化する
再びリカバリーモードに入り、以下のコマンドでSIPを有効化します。
csrutil enable再起動して通常モードに戻ります。
削除の代替案：Pythonの無効化や別バージョンの優先
システムのPythonを削除する代わりに、無効化や他の方法で古いバージョンを使わないようにする選択肢もあります。
PATHを調整して優先順位を変更
削除ではなく、環境変数PATHを調整して別のPythonを優先する方法があります。
1. HomebrewでPythonをインストールする
brew install python Homebrew経由でインストールしたPythonは、システムのPythonを上書きせずに利用できます。
2. PATHの設定を変更する
~/.zshrcや~/.bash_profileに以下を追加し、HomebrewのPythonを優先します。
export PATH="/usr/local/bin:$PATH"設定を反映するには、ターミナルを再起動するかsourceコマンドを実行します。
3. 使用するPythonバージョンを確認する
再度以下を実行して、正しいPythonバージョンが使用されているか確認します。
python --version python3 --versionpyenvを利用したバージョン管理
複数のPythonバージョンを使い分ける場合、pyenvというツールを利用する方法もあります。
1. pyenvのインストール
brew install pyenv2. 必要なPythonバージョンをインストール
pyenv install 3.x.x pyenv global 3.x.xこれで、特定のPythonバージョンを選択して使用することができます。
まとめ
macOSのデフォルトのPythonを削除するにはいくつかの注意点と手順が必要ですが、削除するよりも代替手段を検討することをおすすめします。Homebrewやpyenvを利用して最新バージョンをインストールし、PATHの設定で使うバージョンを指定することで、削除せずに目的を達成できます。デフォルトPythonの削除は最終手段として考え、慎重に判断してください。
